秋の風が感じられる季節になりました。
9月、10月は「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」など、楽しみの多いキーワードが巷にたくさん出てきます。
普段、何気なく使っているこのキーワード、実は「気学」の自然の摂理から来ていることをご存知でしょうか?
暑い夏が過ぎ、心地よい秋風が吹くこの時期は、じっくり読書をしたり、アクティブに体を動かしたり、美味しい秋の実りを食したりと、精神的にも肉体的にも不足しているものを補う絶好の季節です。
一方で自然界に目を向けると、実りや収穫の季節であると同時に、落葉の季節でもあります。
春から夏にかけて青々と輝いていた草木は、この時期、赤や黄・茶に色づきながら落葉してゆきます。落葉するごとに気温は下がり、厳しい冬へ着実に向かう季節でもあるのです。
一見すると寂しく思えるこの季節は、植物たちにとって大切な「準備」の季節です。
秋は、植物たちが冬を乗り越えるための大事な準備の季節。収穫を終えた植物は枯れて地面と一体となり、大地の栄養となります。次の種の生育のために彼らは確実に備えるのです。
備えるのは植物だけではありません。
例えば、人や獣も夏毛から秋毛に生え変わる時期(換毛期)になります。春や秋に抜け毛を感じる人が多いのはそのためです。人間も動物ですから、季節の移り変わりに対して体が準備をします。夏のあいだ落ち着いていた食欲が、秋をむかえる頃になると盛り返してきますが、涼しくなったから食欲が戻ったのではなく、冬を乗り越える体力をつけるために食べたくなるのです。
これらは自然の摂理に従って粛々と行なわれてゆきます。わたしたちが自覚する・しないに関わらず、秋を迎えた植物たちが落葉するように、人の体が自然と準備しているのです。
人も自然界の一部ですから、四季の変化に影響されますし、支配されています。四季は自然界の「気の変化」です。自然界に生かされているわたしたちにとっても「秋」は心身ともに冬への準備を始めるのに適した時期です。
わたしたちは植物のように実をつけることはありませんが、様々な目標に向かって努力したり、学んだりします。努力や学習は成果を生みます。それらの成果は華々しいものばかりではありませんが、次の自分を育ててくれる大切な実りです。
秋はそんな実りを収穫しながら感謝する時期。そして、更に大きな実りをつけるために備える絶好の季節なのです。
自然の恵みを頂いて栄養を蓄え、食べることによって心を満たし、スポーツによって強い体をつくり、読書によって新しい知識と出会うのに適した季節。
満たされた冬を過ごすために、収穫を喜びながら次の実りの準備をする秋。
そう理解できると、秋は自分の楽しみを見つけたり、知識を蓄えたり、冬に向けてじっくり備えて過ごす良い時期と言えます。
次の実りのために、あなたはどんな秋を過ごされるでしょうか?